自由に働きたいとの思いから、個人事業主となる人もたくさんいます。また、最近ではフリーランスという言葉が定着してきました。
会社勤めであれば9時5時などと勤務時間が定められているようなものですが、個人の場合はこれらを自分で組み立てて良いのです。もちろん個人事業主といってもその幅は広いので、ひとまとめにできることではありません。
ですが、なかなかうまく行かないことも多いようです。個人的な覚書のようなものですが何かの参考になる方もいるかもしれません。ストレスのセルフケアに通じる話題だと思います。
個人事業主のストレス
ストレス対策の手がかりになることの一つは「時」です。
全く時間を気にしないと我々は際限なく、漂い彷徨ってしまう可能性があります。
うっかりすれば、そう大げさに聞こえると思いますが浦島太郎のごとくです。
ストレスとなるもの
先に個人事業主のストレスと化すものを列挙します。
- 不規則なスケジュール
- 自分の生活の事が後回しになる
- 収入の不安に押しつぶされる
- 休暇を取れない・取らない
- なんとなくケチにならざるを得ない
- 就職しろと言われる
- 全く応援されない
- 税務処理
- 各種公的手続き
- 替えがいないため、肝心な時に休みにくい、又は休めない
- 運動しなくなる
- 趣味もなくなる
これらは一例ですが、サラリーマンとは別なストレスが多数存在します。
確定申告に悩む
個人事業主になった人の一つの山場は、確定申告ではないでしょうか。
会社勤めの人は、確定申告とはほぼ無縁なものですが、個人事業主においては毎年の恒例です。
これは大きなストレスと化すものです。
会社であれば、経理の担当者が社員の給与計算や会社の経費などを日々計算しているものですが、一人職場の個人事業主の場合はそれらを自分で計算することになります。
もちろん、どこかの会計事務所に依頼している人もいることでしょう。
しかし、その場合無料というわけでもありませんから、経費を節約するならば自分で行うことになります。
のしかかってくるストレスは、一つではなく、あれもこれもなのです。とどめを刺すかのように追い打ちをかけてきます。
白も青もわからない
白色とか青色などとよく言われますが、この違いなども通常は意識している人は少ないもので、一から勉強する方もあるでしょう。
商業高校の出身者や商学部卒の人は幾分、その他の人より有利かもしれません。
義務教育課程では税金の計算方法に触れる機会などなかったと思います。
何しろ、孤独を抱えている個人事業主は多いのではないでしょうか。
初めての確定申告では、果たしてこれでいいものか確信を持てないことも少なくないと思います。
インボイス制度って何?
止めをさすかのように、インボイス制度がはじまります。新しい事を覚える余裕もなく戦々恐々とする個人事業主がどれほどいることでしょう。そして、消費税を納めることになります。
さらに税金が増える
インボイス制度に関しては、ギリギリになって反対署名運動などが活発化しています。2023年10月1日が覆ることがあるのでしょうか。これは、その時を待ってみなければわかりません。
国の傾向としては、社会保障費が爆増している中、益々緊張感が増すものとみられます。将来的には消費税を20%まで引き上げるなどと言う話も囁かれています。
これではギリギリ自転車操業中の個人事業主は壊滅してしまいます。
個人事業主にも少子高齢化の影響が迫っている
税金が増えている背景事情には、少子高齢化が一因です。財務省HPに掲載されている下の図を参照すると、1990年頃と現在の差がよくわかります。GDPが過去最高などというニュースが出ても、まるで税金が下がる話が出ないのはこのためなのでしょう。GDPが増えても追いつかないと解しました。
この他にもNHKの自論口論でも、少子高齢化に関連して、介護保険制度の見直しについて論じられています。この解説を見ると、もう将来的な話ではなく、オンタイムであることがわかります。
参考サイト:待ったなし!介護保険改革 制度見直しの行方 | 自論口論解説員室
税金の計算はますます複雑になる
背景は別にしても、インボイス制度の導入により税金の計算が益々面倒になります。
その手間暇は業務を圧迫することになるでしょう。
本業を税金の計算のために圧迫させては本末転倒なのです。何か考えねばなりません。
税務署に怒られるのではないかと震え上がる
後から何か税務署に怒られてしまうのではないか・・・などと恐怖を感じている方も日本各地に転々としているのではないかと想像しています。
税務調査に怯えて眠れない人もあるでしょう。
会社勤めの友人にこのような話をしても、なかなか伝わりくいことでしょう。
お金を払ってでも、会計事務所にお願いしたくなる気持ちも当然だと思います。
こんなとき、税理士さんが仏のように見えるものでしょう。
ストレス対策を検討する
あまりにも経費削減に拘ると、大事なものまでカットしてしまいます。
節約や貯蓄も大事ですが自分のケアにお金を使うことは大事です。
個人事業主は思いのほか多くのプレッシャー、ストレスを抱えています。
マッサージに行きたいと感じる時もあるのではありませんか?
ある程度、定例化する予定の必要性も感じています。
カレンダーと時計を使う
最近はスマートフォンで事足りてしまいますが、時計とカレンダーをアナログで置くのはどうでしょうか。
うっかりすると、現在の西暦や月日がわからなくなってしまいます。
個人事業主というのはそういうものです。
最近はあまり見かけなくなりましたが、鳩時計も場合によっては有用です。鳩時計ではなくとも音声を発する時計があると音を手掛かりにできるのです。それにどこか寂しさを紛らわしてくれます。
ついついのめり込んでしまって時計を見る事さえ忘れてしまった際には音が命綱の役割を果たしてくれます。
カレンダーに日記を書く
もし、もう生活リズムが滅茶苦茶になっているような時には、本当にごく簡易な日記を書くのはどうでしょうか。
日記帳を準備すると大げさですから、カレンダーに直接書き込みます。
これはシンプルが良いと思います。起きた時間、食事の回数、寝た時間などを簡潔に記すのです。
これにより、2週間も続ければ自分の生活像が瞬時に把握できます。
もし、負担にならないのならば万歩計で計測すると運動量を推測することが出来ます。駅までは徒歩で行くなどと決めておくのも良いでしょう。
タイムリミットを設定してズレを知る
会社員であれば、朝8:13の電車に乗り遅れたら遅刻が確定するというように、その人なりの基準があります。そのため、遅くとも7:30には起床するとか、7:56までには自宅を出るなどとイメージを着けているのです。
これは、本来おかしな話だと思います。分刻みのスケジュールに支配されているのですから。(江戸時代の時間化感覚は秒まで気にしていませんでした。時の記念日なる日以降、西欧化したようです。)
分刻みのスケジュールではなく自由に働くことを旨とする個人事業主は、幾つかの基準となる時間を決める程度でどうでしょうか。満員電車に乗るような予定は組みたくないものです。
例えば、朝は〇〇ニュースが終る頃までに自宅を出るとか、お昼は〇〇食堂が終るまでに行くなどとして幅を持たせたスケジュールを組みます。
お昼の食堂が一つの基準
危機を感じなければいけないのは、お昼の時間に間に合わなかった時です。4時間も5時間もやっている食堂なのに行けなかったというのは緩みすぎた可能性があります。
この場合、サイクルが乱れたと受取っていいでしょう。だからと言って落ち込む必要はありません。それはズレに気づいて修正するタイミングを得たという事です。
会社勤めの人であれば、食堂が終っていたらがっかりしてその異常さにすぐに気づきます。そのため上司に申し立てたり、会議の議題にするような人もいるのです。
お昼を食べない生活はかなり堪えます。数回なら「忙しかったからね」と済ませてしまいますが、これが1年2年常態化したらどうなってしまうのでしょう。個人事業主にはこのようなリスクがあります。
菓子パンだけで食べたつもりになって働き続けてはいないでしょうか?少なくとも、一日1回はバランスの取れたまともな食事をとりたいものです。
物価高もあり、定食も値上がりを免れ得ない。720円では毎日の昼食代として確保は難しいと感じる方も少なくはないのが実情であろう。かといって弁当を持参するとなると相当な技術を要する。
その結果、菓子パン数百円で済ましてしまいたくもなるという現実もあるのでしょう。
また副産物として、どこかの食堂まで歩いて行けば往復で20分くらいになるかもしれません。
それはちょうど良い運動にもなるわけです。
夜の基準
個人事業主はとにかく夜が遅くなる傾向にあると思います。
そのため、夜見るニュース番組を一つ決めておくのはどうでしょうか。
例えば、報道ステーションは概ね22:00です。
これを観られれば、概ね予定通りとし見られずに23:00のニュース23まで帰宅がずれ込んだら黄色信号ということです。
他者との共同は当てにならないことも多い
中には、定例のZOOM会議であるとかランチョンを予定に組み込んでいこうと考える方もあると思います。
これは仕事として行う分にはうまく行くかもしれません。冒頭で述べたように、うっかりすれば浦島太郎のようになってしまいがちです。誰にも会わず長い時間を過ごしてしまう可能性があります。
会議であっても知っている人とコミュニケーションを交わすことは息抜きになるかもしれません。
しかしながら、友人や家族ですと定例化はかなり難しいところがあります。土壇場のキャンセルも珍しくはありません。その場合、一人取り残された孤独感を強調する結果になるかもしれません。
人気を得るために、週1回はカフェで本を読む、などとして人気のある空間で過ごすなどとするのも方法です。
最後に奥の手ですが、表情筋を使わないことに不安を覚えることがあるかもしれません。
もはや人類に与えられた贈り物のように感じられてくるのですが、そんなときは好きな歌を歌ってみてはどうかと思うのです。
自律神経も大事
健康面の事に触れておくと、自律神経との兼ね合いがあります。
睡眠時間や食事の時間が滅茶苦茶になっていると気楽なようですが、体のバランスを保つのに体内では大忙しになってしまいます。
せっかく会社を辞めて自由になれたのに残念に感じられますが、ある程度の習慣・規則性はどうしても捨てきれません。
個人的によくあるのは、眠気が出てきている時に、なぜか義務感から深夜なのに暑い湯船にどっぷりと浸かってしまうことです。おそらく体温が上昇し、自律神経の方は副交感神経に傾いていたところを無理やり交感神経寄りにしてしまうわけです。これではしばらく眠れないはずです。
コーヒーのがぶ飲み
もう一つ触れておくと、個人事業主はコーヒーを飲みすぎる可能性があります。
これは、ついついです。お客さんが来るたびに飲む人もいます。
これについて長い習慣にしてしまうのは危険ではないでしょうか。
また毎日コンビニの珈琲を買ってしまうと、それだけでも2000円以上かかってしまいます。
どうしても自力で確定申告やらねばならないのならば相談窓口はある
税理士さんにお願いせず、そんなお金はないと孤軍奮闘する個人事業主もいます。細かい数字をエクセルで打ち込んだりします。紙ベースだと誰かに馬鹿にされることもあるのです。
税理士さんにお願いしたいと思っても、先立つものがなければそういう訳には行きません。
どうあっても自力でやらねばならない事情もあります。
計画的に事業開始前から勉強していた人は別にしても大体は、勉強しながらという現実があると思います。
書店に行けば、「フリーランスのための確定申告あいうえお」のような指南書がたくさん売られています。
同じように孤独を感じている人がいることに気づくでしょう。
個人事業主も税務について相談できる場所がある
その他、商工会が初心者のための勉強会を開いていると聞いたことがあります。また税務署でもそのような催しがあるようです。記帳説明会が行われています。
私は、税務署は疑う仕事ではなく、適正な納税を達成するための機関だと常々思います。
又、パソコンの操作を勉強する必要もあるかもしれません。
国税庁電話相談窓口
こちらのサイトを見ると、電話相談ができることがわかります。所轄の税務署員が受けているのではない模様です。電話すると税理士さんなのでしょうか?詳しい方が質問に答えてくれます。
該当サイト:国税庁 税の相談
商工会
商工会議所に入会すると様々な特典があります。その中に、専門相談があり所定の日に予約すれば専門家に直接質問できます。(千葉県柏市の場合)
年会費が必要ですが、様々なサービスを受けることが出来ます。
該当サイト:柏市商工会議所 専門相談内容
パソコン環境
経理の負担とも関連することですが、パソコン環境も軽視できません。長く働くにはパソコンによる負担をなるべくカットすることも必要になります。
福利厚生を自分で開発する
会社員は、福利厚生があり恩恵を受けています。個人事業主は自分の分は自腹を切らなければなりません。
しかし、何か息抜きのようなものは必要です。経費になれば良いのですが、そう簡単ではありません。お金に余裕ができたなら、独自の保養場所など決めると良いでしょう。
食堂の活用
また、職場には社員食堂があります。
これは大きな違いです。個人事業主は、どこかの社員食堂に混ぜてもらえたら助かりますが、身近にあるとは限りません。
または、大学の学食が一般開放されていることがあります。
いずれも、民間の飲食店よりも安い傾向があります。
その他、市役所に食堂が設置されていることがあります。大正時代には公衆食堂なる場所があったほどで、実は非常に重要な場所であると考えています。
コロナウイルスの関係で閉所している市役所食堂もありますが、可能性として検討する価値があります。
これらはどれも栄養バランスを保つことにも寄与してくれることでしょう。
まとめ
また書き足しますが、大雑把にスケジュールを決めておけると彷徨い続けることは回避できるのではないかと思います。
長い戦いになるのですから、足場を固める意味でも心地よいサイクルを構築することは大事です。