スピーチが苦手であると感じている人は、話すこと自体が苦手なのでしょうか?それとも、「人前で話すこと」が苦手なのでしょうか。
この二つのことが結構混同されているようにも感じます。
スピーチは苦手。30秒でも長いけれど・・・
もし、話すこと自体は苦手ではないけれど、人前で話すことは苦手という方であるならば、スピーチできる力が発揮しきれない状況に あるということになります。
確かに、人が見ている中で多くの言葉を発したり、自分の意見を述べることは
勇気のいることで、何かスピーチ以外のことに多くのエネルギーを費やされそうです。
こう考えていくと、本当にスピーチに出ることが望ましいことなのかと
疑問さえ感じてきます。
これほど多くのエネルギーをどうせ使うのであれば、スピーチ内容を
何かの文章にしてまとめてみた方が実りも多いような気がするくらいです。
なぜスピーチという形でしか発表の場が用意されていないのでしょう。
今日も、明日のスピーチに緊張して眠れない人が日本の各地にいらっしゃることでしょう。
スピーチの緊張で体調も崩す
人によって、人前で話す行為は大きなストレスになります。
当たり前に話せる人もいるのかもしれませんが、人によっては心身の不調を覚えるものです。
胸がドキドキするとか、声が出にくいなども緊張がもたらすことがあります。
中には頭痛を覚える方もいるでしょう。
出来上がった内容をスピーチする
さて、本にしてしまえれば、できてしまったものですから、後から批判は出るかもしれませんが、もう済んでしまったことで、まとめた内容事態に修正が入ることだけは避けられるでしょう。
同様に、スピーチにおいても、出来上がったものをスピーチするという手があってもいいのではないかと思うのです。
つまり、納得いくまでスピーチを練習するなりで固めておいて、完成するまで外からの情報を入れないでおくことで、自分自身のスタイルでスピーチをすることができるかもしれません。
中間発表やリハーサルなどでいろいろな意見をもらうと、はじめにもっていたイメージが崩れたり、よくわからなくなって混乱が深まるということもありうるのではないかと思うのです。
もし、スピーチすることで評価を高めたいと考えている方がいたならば、これは訓練方法にもなり得ると考えられますし、評価は気にしないということであれば、その場をやり過ごす術の一つと言えると思います。
しかし、事前に準備することは時がかかるというデメリットがあるでしょか。しかし、アドリブで傷つくよりも良いとお考えであれば、事前準備も悪いことではないと思います。
また、こうしたことを繰り返すうちに、持ちネタのようなものがストックされ、いずれはアドリブも可能になってくるのではないでしょうか。
それが出来上がる前に周囲の意見やらで自分のスタイルを乱されてしまうことは避けたいものです。
信用できる人の前でのみリハーサル
ですが、全く誰にも見せずに発表を迎えることも怖いものがあります。その場合、信用できる人にのみ見ていただくという手もあるでしょう。
どうしても、そとからの意見は非常に影響力を持つ場合があります。一般的には、いろいろな人の意見を聞いてみる方が良いという考えであると思いますが、人によっては、あまり多くの人に見てもらわない方が、いい結果を生むこともあるでしょう。
この例はごく一例ではありますが、こんな風にして数を重ねていく中で、自分自身のスタイルというものが出来上がっていくのではないでしょうか。
それは、効果的なスピーチの方法を確立するということを必ずしも前提にしなくとも良いのではないかと思います。
例えば、ダメージを最小限にするスピーチ方法とか、傷つかないためのスピーチ方法というスタイルを確立することを前提とした準備でも良いのではないでしょか。もちろん上述したように、こうしたやり方の蓄積の先に、結果が伴うということも十分あり得ると感じています。
30秒スピーチ
では、スピーチを上達させるにはどのような方法があるのでしょうか。世間にはスピーチに関する研修会や教室がたくさんあります。そこではいろいろな方法が実践されているはずです。
教室で実践されているかどうかわかりませんが、短い時間内でのスピーチを実践するという方法は考えられないものでしょうか。人前で3分間スピーチするというその行為は、なかなか簡単なことではありません。
練習が身になるというよりは、緊張する機会が練習の度にやってくるということに終始してしまう可能性があるとも考えられます。
極度の緊張を伴う訓練よりは、安心して行える練習方法があっても良いのではないかと個人的には思います。そもそも、スピーチの目的は何だったのでしょう。練習にくたびれている時にはなかなかその意味を見いだせないことも起きてくるのではないかとさえ感じます。
モデリング
モデリングという言葉をご存知でしょうか。心理学の学習の分野でよく用いられています。日本語で言えば、観察学習となります。
このモデリングが、スピーチの練習に使える可能性があると思います。既に使っている人もいると思いますが、案外役に立つのではないでしょうか。あくまで参考までにまとめてみました。
時に、スピーチといっても全く見当がつかないことがあります。どのような挨拶から始めたらよいのか、また終わりの言葉はどんな表現になるのか、落ちは必要なのかと、このようにスピーチには幾つかのポイントがあるようです。
そこで、他人のスピーチをよく観察しておくことで自分の番が来た時の準備になるとは言えないでしょうか。あの人は、ひとまず「おはようございます」から始め、天気がどうのこうので10秒も時間を稼いだ、とか、別な人は、語り方が少しゆっくり目で、早口な人よりも内容が少なくてうらやましい、などいろいろな点が観察されてくるのではないでしょうか。
直ぐに忘れてしまうこともあるので、メモを残しても良いでしょう。
また、他人のスピーチばかりでなく、テレビのニュース番組やインタビューの様子は参考になる部分があると思います。中には白熱の議論が行われている場合もあります。誰かの批判されたとき、人はどのように反応して言い返すのでしょう。こうしたシーンを我々は他の人を通して観察学習することが可能です。
もちろん、「皆うまいなぁ」、と逆に自分がそれをできるか心配になってしまうこともあると思います。練習段階では本番よりも負荷の強そうなものを選んでおくと、本番が楽になるかもしれません。
普段我々は人がどんな風に言い返すかなどということにそれほどの意識を向ける機会はないと思います。
もし、テレビで役立ちそうな番組があるならば、録画をして何度も見返して、自分のものとしておく方法もあるでしょう。「学ぶ」の本質は「真似る」ことにあったと聞きます。真似をしているうちに身についていくことは多いかもしれません。
しかし、もう一つ大事なことに、真似をしていく中で、自分の感覚に合わないものもあると思います。なるべく自分の感性に合うタイプの人をまねた方が無理がないようにも思います。
また、真似て行く中で、自分らしいオリジナルな形が生まれてくるという場合もあり得るのではないかと感じています。落語のトレーニング方法など聞いていると、マンツーマン指導らしいということです。師匠のやり方を真似る中で、個性的な落語家が次々と生まれて行くのかもしれないと想像しています。
スピーチのネタ
スピーチのネタについて少しだけまとめてみたいと思います。
なんでもいいから話してください
スピーチの内容はなんでもいいので、とにかく3分くらい話してみて下さい。とこのように、スピーチを振られることがあるようです。
このような場合、話の話題は自由ですから、あまりに突拍子もない話題でなければ何を選んでもその場の雰囲気を壊すことはないでしょう。しかし、急に思いつかないことでもあります。
- 天候とエアコン
- エアコンの設定温度について思う事
- エアコンをつかいはじめるきっかけ 私の場合
少し、生活と関連したことで挙げれば他愛もない天気や温度の話はどうでしょうか。上記のような見出しで、話すことは多くの人にとって可能な話題です。
というような序文で開始し、具体的な内容は、以下の通りですとまとめる手法もあるでしょう。
それで、夏のエアコンは分かり易いと思ったのですが、冬場のエアコンの使い方はまだ慣れていません。夏よりも、報道も少ないように感じます。なぜ夏ばかりが注目されるのでしょう。電力消費量が圧倒的に夏の方が大きいのでしょうか。そんなことを最近疑問に思ったのです」
「そこで私はインターネットで検索してみたのですが、冬場のエアコンの温度は、20度くらいを推奨していました。これには少し寒くないかなと思ったのが本音です。今までもう少し高い温度で使っていたので、申し訳ないような気持になりました。」
「今回のことで思ったのは、人間の思い付きでは案外設定温度の妥当なところを外してしまうんだなーということです。上着を着るとか脱ぐとかは間違えないのに、エアコンの温度には間違いがでてしまったところが興味深かったです。
全く個人的な感想ですが、エアコンは機械だから私は間違ってしまったんじゃないでしょうか。人間は、自然なものに対する勘は働くけど、機械が関係してくると調子が狂っちゃうように思いました。」
「これが最近私の感じたことです。以上になります。」
無理にうまくなろうとしない
これを言ってはもともこもないと思われるかもしれませんが、このような着地点も想定に入れてみてはどうでしょうか。
誰でもスピーチがうまいなんて世の中は、どこか方向性を見失っているようにも思うのですが・・・いかがでしょう。