【ブログ運営元オフィス概要】

心理臨床オフィスまつだ

代表:臨床心理士 松田卓也

所在地:千葉県柏市3丁目7-21 椎名ビル 603

電話番号等:ホームページでご確認下さい

心理臨床オフィスまつだ

安心感のあるコミュニケーションとは

談笑中の二人

もし初対面の人に何かを尋ねるとしたら、どんな質問を投げかけるでしょうか?

いきなり誕生日はいつですか?などとは聞きにくいものです。

コミュニケーションを考える時、この感覚は非常に大事な事だと思います。

また、カウンセリングを学ぶ人にとっても重要な事です。

安心感のあるコミュニケーションについて

親子の会話

身内同士であれば、お母さんが「ママ先帰ってるからね」とか、「あのさぁ~」などと使っても問題になることは稀です。(厳格な家庭では、お母様でしょうか。)

ですが、例えば学校の三者面談の場で母親の事を「ママ」などと言うと時に問題が生じます。

母親側がついついいつもの事で自分自身のことを「ママはそう思わないな」などと言ってしまうと、思春期の子供であれば非常に恥ずかしい思いをする可能性があります。

このように、言葉の使い方は非常に難しい側面を持っています。

初対面の人との2時間

ロマンスカー

では、初対面の場合はどうなるでしょうか。

数十年前は、特急列車で偶然隣に座った場合等が挙げられます。

よくロマンスカーと呼ばれる電車を目にしますが、あればロマンスシートのように横並びで座るためにそう呼ばれているのだそうです。

偶然隣に座った人に何を話しかけるでしょう。

  • どちらまで行くのですか?

これは初めの一言としてどうでしょう。早い感じがします。考えすぎかもしれませんがお忍びで帰郷中の人だとしたらどうでしょう。もし斜め向かいに同郷の人がいたらすぐに察知されてしまいそうなものです。

  • 冷え込みますねー。暖房届いてますか?

これは、良いと思います。配慮のような意味で自分だけ暖房の風を独占していないか確認しているのです。ここで、「大丈夫ですよ」(笑顔)などと反応があれば、先ほどの質問もして差し支えなさそうです。そして、<これ食べませんか?>などとお菓子を渡すでしょう。

数十年前なら2時間後には、段々と打ち解けて連絡先を交換しているかもしれません。

ところで、現代社会においてはほぼ話しかけてはいけません。昔は良い事とされていても現代では非常識な事があります。

丁寧な言葉使いなら良いというものではない

「このやろー」とか「てやんでー」と聞くと確かにびっくとする人がほとんどだと思います。

では、「お客様」とか「もう一度お尋ねしますが・・・」などと丁寧に言えばよい事なのでしょうか。

これはそう言い切れません。確かに安心感を与える言い回しはありますが、丁寧な言葉が脅威になることもよくあります。

「丁寧になる」を、「私は正しいことをしている」と言い換えるとそのニュアンスに気づかされます。「おかしなことを言っているのは貴方なんですよ」と暗にほのめかされているように感じるのです。

フレーズだけではなく、その態度も大きく関与しているのだと思います。

安心感を持ってもらうには侵襲性に気を付ける

何が一番述べたいかと言えば、「侵襲性」という概念です。

パーソナルスペースという言葉は聞いたことがあるかもしれません。人には立ち入って欲しくない物理的距離があります。そしてそれは人それぞれ違います。

同様に、いきなり突っ込んだ質問をされるのは心理的なパーソナルスペースに踏み入れられた感じがするものです。

人は心にサンクチュアリを持っている

ポセイドン神殿

サンクチュアリとは聖域の意味です。人は誰しもその人だけのサンクチュアリを持っているのではないでしょうか。

それは過去の思い出、故郷、物語、人・・・多種多様です。

とにかくそれに触れてほしくないというこの気持ちは合理的になった現代人が忘れやすい所です。

この感覚は音楽や様々な作品の中で出会います。例えば、小田和正さんの「秋の気配」を聞くとよくわかります。人には誰にも聞いて欲しくない歌があります。

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