結婚生活の中には、家事が含まれますが、手伝ってくれる旦那さんもいれば、家事はにはノータッチという旦那さんもいることでしょう。家事は主婦の仕事という雰囲気も強そうです。
家事の負担や忙しさはよく報道にもなっています。仕事をしていない主婦なのだからなどと言われ、中には理不尽な思いをされた人もいることでしょう。
そして、時は流れ共働き世帯が急速に増加しました。
共働きの家事は大変なことで冗談にならない
産業革命以後特に、人間の生活は、日に日に便利になって来ています。そこまで遡らずとも、日本では三種の神器と呼ばれる、白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機の登場に伴って、徐々に家事からの部分的開放が進んでいきました。(※当然ここで述べる三種の神器とは草彅の剣や勾玉などのことではありません。)
発売して直ぐにテレビを購入できる家庭は少なかったと思いますが、現在では、多くの家庭に三種の神器が当たり前のように揃うようになりました。
とは言えども、三種の神器によって家事への負担が多少は減ったと言えども、毎日のように食事は三回もとるわけですし、服を着ればしょちゅう洗濯が必要です。
家事が大変なことであることは依然変わりありません。そして、時間的余裕がもたらされたからと言って、新たな負荷がわざわざ作られるような面もないでしょうか。
確かに便利にはなったはずなのですが。
共働き世帯の家事の辛さ
まずは、下記の図表をご覧下さい。1980年から2020年までの、共働き世帯の推移を読み取れます。「雇用者の共働き世帯」が急増し、「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」が反比例して減少しています。1992年頃に交差しています。
明らかに、社会構造そのものが変化しています。ですが、日本社会においてはいまだに、家事は女性が担当するというイメージが根強くあります。そして、1980年から2020年という期間は40年です。
出典:図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移(厚生労働省)
その他
共働きが進むと、専業主婦の方が自分の在り方に罪悪感を覚えてしまう可能性があります。これもまた難しいところです。専業主婦という在り方もあってよいのです。
世代による意識の違い
1980年頃の20代は現代の60代にあたります。その世代の人たちが、社会の「舵」を取ってもいます。つまり、急速に進んだが故に、様々な世代の「家事イメージ」が混在している社会になっているのです。これも、」現代社会を複雑にしている一つのテーマといえるでしょう。
奥さんに夕食を作ってもらいながら野球観戦する夫
これは、日本の家庭にありそうな風景です。
奥さんは、内心どんな思いなのでしょう。
男性側は仕事に疲れて帰宅したのでしょう。すぐさま横になって野球を観戦しています。
また、せっかく作った夕食なのに、旦那さんが外食で済まして来てしまったとか、朝ごはんにしても、旦那さんが寝坊してしまったために、一口も食べていかなかったとか。こういうエピソードはどんどん想像できます。
食べて帰って来るならなぜ電話の一本も入れなかったのか!?と怒りたくなる方もあるでしょう。
現代社会が求めるのはこれか?夫婦でにこにこと夕食の準備
共働き世帯であれば、食事を作るのも協力しなければ生活がまわりません。
つまり、こんな夫婦の在り方を求められているのでしょう。
しかし、喧嘩したときはどうなるのでしょう。そもそも、こんなキッチンのある家に住めるでしょうか。キッチンが狭い場合には、ローテーションを組んで当番制にすることになるでしょう。
どんな家事があるのか
ほんの一部ですが・・・家事にはどんなものがあるのでしょう。昔から衣食住とはよく言ったものです。
洗濯類
アパートなどにお住いの場合は特に、時間帯を見て使用する必要があり、案外その時間を見つけることに困難があります。1度で済ませてしまいたいところですが、量が多かったり、分けて洗濯する必要があるものもあります。
また、洗ったら干さなければなりません。クリーニングに出してしまいたい様なYシャツ類はアイロンがけも必要になります。
料理
レトルト食品のような食品は、電子レンジで温めればそのままですが、ジャガイモなど使えば皮をむく必要があります。これは集中力を使うもので、どんなに熟練しても一定の時間と集中力を要します。食べた後には必ず皿洗いが待っています。昔は井戸に水を汲みに行くとか、薪に火をつけるとかたくさんのことがありました。
掃除
家とは、少しでも放っておくと塵埃が自然と溜まるものです。トイレにもさぼったリングなるものが浮かび上がります。
名もなき家事
昨今よく耳にするようになったのは、「名もなき家事」です。「トイレ掃除」のように確定的な名称は持たないけれども、地味に重要な家事が存在しています。例えば、排水溝の掃除などがそれにあたるのでしょう。パイプユニッシュなどを定期的に使用せねばならないこともあります。
現状、奥さん側に負担は集中しているはず
中には、きっちり分担しているご夫婦もあると思いますし、婚前契約書を作成し、家事の分担を明記した方もあるのではないかと想像します。
ですが、共働きといえど、家事は奥さんが担当する場合がきっと多いのでしょう。
家事分担については、NHKなどでも取り上げられるようになりました。
現代社会の家事をどうするか
さて、人類は文明の発展に伴って様々な労働からいわば解放されてきました。
しかしながら、体感的にはそんなに楽になったと感じられないこともあります。
つまりはその分、他にやることや、時間に追われるようになったのです。さらにはコンプライアンスというプレッシャーも大きくのしかかっています。
この現代社会の中で家事をどうやってやりくりしていけば良いのでしょう。
社会で何が起きているのか全体像を知る
もしかすると、社会全体を動きを把握することは一つ、気持ちの面で楽になる可能性があります。いや、現実を直視することでめまいを感じることもあるかもしれませんが・・・。
- 少子高齢化
- 多世代が混在する社会(価値観も多様)
- コンプライアンス
これらは、我々の生活に相当な影響を持っていると感じています。
最近、どこを見ても外国の方が増えました。これは、少子高齢化が関係しているのです。日本では、若い世代が減っているため、外国の方にお願いして働くのを手伝ってもらわなくては、人手が足りないのです。
そして、社会は急速に変化しているけれども、1980年代の価値観がまだまだ現役です。
この辺りが、非常に複雑な所なのです。
これだけ社会が変化しているのに、個人レベルの頑張りとか、不真面目さ、大人の自覚などという言葉でまとめられてしまうことがあります。そう単純な事ではないと知って置ければ、堂々と出前を取れるかもしれません。
新婚熱々的な時間も過ごしてみたい?
一応触れておきたいのですが、共働きで家事は分担としている夫婦であっても、特に新婚時などは、昭和に見られるような新婚熱々な在り方もやってみたいものでしょうか?実は、お嫁さんになることを夢としている人を結構知っています。もしかすると、一時でもそういう時間は必要なのかもしれません。
ロボット類はあてになるのか
昨今、ある場所では猫型ロボットが料理を運んでくれるようになりました。
猫ゆえに、どこかなんでも許せてしまうところがポイントなのでしょう。大活躍していました。
確かに、あのようなロボット類が家事を手伝ってくれたら助かりますが・・・。
公営食堂的ものを整備してはどうか
素人の浅智恵にほかなりませんが、既存のシステムは形を変えれば使えるもの多いのではないかと思うのです。
例えば、「社食」・「給食」です。これらを共働き夫婦バージョンにカスタマイズできないものでしょうか。子供食堂は非常にいいアイデアでした。地域の飲食店を圧迫してしまうかもしれないという難しさもあり、そう簡単なものではありませんが、何かできそうな気がします。
まとめ
現代社会における家事は本当に大変な事です。決して軽視できるものではありません。
とにかく体調を大事にしながらやっていくことなのでしょう。
妥協もあれば、諦めもあるかもしれません。ですが、やむを得ず、サラダの代わりに野菜ジュースでごまかす日もあれば、出前を多用する日々もあるでしょう。
家庭が職場のように感じられてきますが、「このような時代を共にどう生きようとするのか」、を夫婦に問われているように思えて来ました。