子育てが進むにつれて、子供は受験を迎える時期に差し掛かります。その時期は小学生からなど、家庭によって様々ですが、高校受験が初めての受験となる場合が多いのではないでしょうか。
子供の進路に関わることですから、多くの保護者が真剣になることでもあります。本人以上に、という場合も少なくはないでしょう。
受験生の心理
自分自身が受験を経験していたとしても、はっきりと覚えていないこともあると思います。
受験生はどのような気持ちで試験を迎えるのでしょう。
ピンと来ない進路選択
個人差はあると思いますが、高校受験に自分の進路が関わってくると想像する中学生はどのくらいいるのでしょう。
中には、医師になるために、必ずあの高校に・・・と考えている人もあるかもしれませんが、もう少し大雑把な選択の人の方が多いのではないでしょうか。
中には、友人と同じ学校に行きたい、とか、制服が気に入ったから、という理由の人もいるのではないでしょうか。
大学受験の場合であっても、それほど多くの検討はなされないまま、という場合も少なくはないと想像しています。
試験勉強
受験前は、確かにソワソワしたり、怒りっぽくなったりと、過敏になることもあるように思います。
よく受験生の前で「滑る」とか、「落ちる」などの言葉使わないように!などと念押しされますが、煮詰まっている際には、妥当な念押しだと思います。
相当、試験勉強に意識が凝縮してくるのだと思います。
当日
試験の前日は、いつもより眠れなかったかもしれません。当日も、準備万端であったとしても、緊張することは当然と言えましょう。
制限時間のあるものですから尚更ですし、途中で鉛筆が折れたり、消しゴムを落とすかもしれません。
初めて訪れる場所が試験会場になることがほとんどだと思います。
親側の心境
一概に言えるものではありませんが、親の立場からすると、子供にはいつも勉強して欲しいとか、進路をどうするつもりなのか?などと、色々聞いたり、要望したい気持ちがあると思います。
とにかく心配でたまらないという思いもあると思います。何か手伝えることはないだろうか、とか、どう声をかけたらもっと勉強に迎えるのか・・・などと、内心は穏やかでないと思います。
成長・自立のきっかけ
たくさんの事が双方の中に訪れる受験ですが、いずれにしても、これらに取り組むことは、本人の中で成長や自立とつながる経験になるのではないでしょうか。
受験をきっかけに進路を多少なりとも考え始めたり、他者の存在を意識したり、親に口を出される事に思うところが出てきたり・・・などと、相当な経験をする事柄のように思います。
最も、受験だけにこのような経験が生じるわけではありませんが、それでも、大きな意味を持つ場合が多いと思います。合否こそ最重要であると思いがちですが、それはそれとして、それ以上の意義が含まれているのではないでしょうか。
このような発想は綺麗事として片づけられがちですし、単なる慰めの言葉のように考えている人もいるのでしょう。とにかく合格することこそが正解だったのかどうか、人生の中で・・・という位の視点で見ると、また別なものも見えてきそうではあります。
しかしながら、後悔、悲しみ、怒りなど・・・本当に多くの気持ちが入り混じる事柄でもあると思っています。こうした気持ちも無視できるものではないのです。
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