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心理臨床オフィスまつだ

会議では沈黙していると怒られる

威圧 仕事関係の悩み

何かの会議で、発表や発言をしなければ行けない機会を持つことがあると思います。

町内会、学校、サークル、職場、同窓会、学会など、会議は我々の生活のいたるところに存在しています。

会議の場で理路整然と生き生きと話す人もいれば、何かいつもの様子とは違い緊張
しながら話している人もいます。誰しも緊張すると早口になったり、言い間違えたり、声が震えたりするものです。

会議とは非常に難しいものと感じます。緊張しやすい人にとっては特に、自分の意見が最も伝わりやすい機会とは言えないのではないでしょうか。

人前でのスピーチとも重なる内容ですが、会議の場合は、もう少し他のメンバーとのやり取りが発生しやすく、それは事前に予想しきれない内容も含まれます。

急にそんな話をされてもわからないということであっても、平気で質問はなされるものです。

我も人なり彼も人なり、などとはいう者の、自分以外の人は、平然としているように見えるものです。

時に、会議に参加した知人などに尋ねてみると、「私も緊張していますよ」などという事でしょう。

もう少し具体的な失敗談など教えてもらえると、助かるように思います。自慢に聞こえてしまうこともあると思います。

発言をしないと怒られる会議

年齢を重ねて行くと、積極的に発言することを求められる経験が増えると思います。例えば大学のゼミでは、発言しないことが許されないと聞いたこともあります。

また、「疑問点は質問するように」とか、「会議では意見を述べるように」、などと釘を刺されることもあります。 ですが、時に沈黙してしまうこともあるものです。

それほどに沈黙はネガティブなものなのでしょうか。話すべき時には発言が必要であることはあるにしても、無理やりな発言はいかがなものなのでしょう。人間関係において沈黙とはネガティブな存在でしかないのでしょうか。

沈黙の意味

沈黙するときのことを考えてみると、背景にはどのようなことがあると言えるでしょうか。 飲み会での事、会議でのこと、友人関係でのこと、様々な場面で沈黙は生じます。

  • 気をつかって発言できない
  • 何も思い浮かばない張している
  • 発言に足らないようなことしか思い浮かばない
  • 熟考中である
  • 言葉にならないメッセージを表現している

など

このように、沈黙の背景は一通りの理由ではありません。沈黙していることは、積極性がないとか、会議に不真面目であるなどととられがちですが、実はかなりの意味を含んでいることがわかります。

もし会議などの場面で沈黙の意味を無視して、意見を吸い上げようとしたらそこに有益な結果が望めるでしょうか。気をつかって発言できない状況はあまり芳しいものではありません。

沈黙していることを責めてもいい意見は出てこないでしょう。

無理に意見を集めた場合、そこに挙がる意見は、非常に気をつかった意見という事になり、生産性や実効性、リアリティに直結しているとは考えにくくなっていきます。

言った人が責任を負うことに・・・

一つ気を付けたいことに、なんだかんだで、意見を言った人が責任を負わされることがあります。

意見を出したのだから、言った人が実行すべきだということになるのです。意見を言った人としては、意見を言っただけなのであり、自分が責任をもって行うなどと表明したつもりは全くないのです。

し かしこのようなことは良く起きているることだと思います。納得のいかない思いで過ごしている人も多いのではないでしょうか。

それでも沈黙を守った方がいいこともある

煮詰まってくると、つい何かを発言するしかないという心境に達することもあると思います。しかし、それでも黙っていた方がいいこともあるようです。人間関係においても、何かの会議においてもそういう場合があるのだと思います。

仮に言いたいことがある場合に出さえも、黙っておいた方が良いこともあります。 うっかり口を開いてしまったが故に、よからぬ方向に物事が進んでしまうことさえあります。 口は災いの元とか禍の門などという言い方があるほどなのです。

沈黙は人間関係において非常に多くの意味を含んだ存在だと思います。 蛇足のようになりますが、沈黙とは、口を開かないことだけを指すものではないように思います。

時には、当たり障りのないことを言ったり、もっともらしいことを言うことが社会の中でやりとりするために必要になることがあります。 口は開くけども、本来は沈黙しているというあり方もあるのではないでしょうか。

このようなことは多くの人が自然と行っていると思いますから、つまり、多くの人が心の中では沈黙しているわけです。 これほどに用いられている「沈黙」はネガティブな存在というよりは、身を守るためにも、必須の存在に近いと感じられてきます。

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