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心理臨床オフィスまつだ

自然な事

カウンセリングを勉強する中で得た視点ですが、人間が生活する中で、いろいろと物事には付加されていったことがあるようです。

それは本来の意味からはずれていたり、本来のものより使いやすくなっていたりと様々です。時に、この付加がまさに負荷になっていることもあるでしょう。

「タイトルを自然なこと」としましたが、「自然」を「自ずから然る」(おのずからしかる)という意味で読むことができます。

自然と風がふいたり、自然と季節が変わったりと、自然と変化したり、ある方向へ向かっていくものであるとした表現です。

例えば、もっと豊かになろうとして、畑に肥料をまいて作物を大きくしようとします。これは、畑に生える作物という自然に肥料を付加したわけです。

このことで、多くの作物の収穫が可能になり、ボリュームも大きく育つようになったという大きな利点があります。付加することで、もっと多くの恵みを得ることに成功したわけであり、現代文明にはこれと似たことがたくさん行われています。

文明という言葉を出しましたが、自然に付加できる存在は文明をもった人間だけと言っていいかと思います。付加することが増えてくると、「自然」とはだいぶ別なことや物が社会に増えていくこともまた事実でしょう。

人は自然が良いのか

自然というとあるがまま、そのままという印象ですが、何事もそのままでいいということもないのでしょう。すべてがそのままであれば文明の発展も生じなかったはずです。

ここで、文明が生じたことも、おのずから発生してきた流れの一つであると捉えることも可能でしょう。例えば、保護や教育を受けて、人が人らしくなっていくという過程を確認した人もいると思います。

人工物

我々が生活する世界では、人間が作り出した物を人工物と呼んで、自然と区別しています。例えば、電車に乗っている時に見える電線や線路は全て人工物です。

この電車が故障などの事情で止まってしまった際には、我々は内心穏やかではいられなくなります。場合によっては、怒りが表出されることもあります。ここでは深く触れませんが、人工物との間に生じる心理的葛藤の存在があるように思います。

人が苦しいと感じるとき

また、段々と文章にしていきたいと思いますが、自然な状態(その人らしい状態)から知らず知らず離れていくことで、人の悩みや苦しさがうまれてくることも一つにはあるのではないかと感じています。

例えば、年末年始は有意義に過ごさなければいけない、という世間からのプレッシャーのようなものがかかった場合、ある人は焦りを感じていることでしょう。

本当に、年末年始を有意義に過ごさなければならないかどうかは疑わしいものなのです。しかし、それほどに世間のいうことはプレッシャーを感じ、自然な状態から離れるきっかけとなることもあるでしょう。

有意義にと言うと非常にもっともらしく聞こえるのですが、もっと有意義にすごすべきという価値観の付加が、まさに負荷をかけているようにも思えます。

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