カウンセリングの本はどれを選んでよいかわからないという難しさがあります。
書店にはそれほど多くのカウンセリング関係の本が並んでいるものです。
伊東博先生の「カウンセリング」にも触れましたが、もし片っ端から読んでみようと思った際には、カウンセラーのための基本104冊という本が出版されています。
改定新版 カウンセラーのための基本104冊 創元社 2005
104冊という具体的な数字が挙げられていますが、これで十分かというと、やはりそうではないのでしょう。タイトルには「基本」という言葉が添えられています。
何冊読んだから良いというものでもないと思いますが、このように紹介された本であれば、片っ端から読んでみようという気持ちになるかもしれません。
中にはもう読んだことのある本も交じっているかもしれませんので、それで数冊は読んだことにしてスタートということでも良いのでしょう。
カウンセリングを学ぶ立場からすると、カウンセリングを学ぶとはどういうことなのか、という疑問が終始ついてまわると思います。場合によっては糠に釘のような思いを続けいる人もいることでしょう。そんなときに、少なくとも基本的な104冊を読んで学んだことは確かである、という自分の中での確認になるという意味も含まれるように思います。
カウンセリング、心理療法、精神医学、臨床心理学などを分類を知って読む
カウンセリングを勉強したつもりが、実はそれは精神医学だったというようなことは起こりがちです。
この点については、オフィスブログの、臨床心理士と精神科医の違いの一つは視点にある?をご参照頂くとイメージが多少なりともつくと思います。
また、カウンセリングと一言で言っても、それが何を指しているかは文脈によって異なります。
カール・ロジャーズのカウンセリングそのものを指している場合もあれば、心理療法全般をカウンセリングと表現する傾向もあります。当ブログでも、カウンセリングの種類は200を越えるという話もあるほどのページで、幾つもの方法をまとめています。
カウンセラーは非常に独自のセンス・視点を持った存在だと思います。だからこそ、自分自身の専門性とはいかなるものなのかを明確にしておく必要があり、他の職種との違いを常に意識することで、その独自性の探求が進むのではないでしょうか。
自分自身の事を棚に上げるつもりはありませんが、カウンセラー自身が、カウンセリングだと思って行っている事でも、実は、精神医学よりの発想になっていることなどはよく起こりがちなのです。(医療行為を行っているという意味ではありません。